Oscar Peterson – Hymn To Freedom 「自由」ってなんだろう。

Oscar Peterson(カナダ人)は

公民権運動におけるキング牧師の活動に触発され

1962年にこの曲を世に送り出しました。

画面に映し出されたOscar Petersonの表情が

アフリカ系アメリカ人の歴史とともに

ピアノに流れ込み魂が揺さぶられる…。

自分的に音楽、文学、映画など

アフリカ系アメリカ人の作品で育ったウェイトが結構あります。

大量の音楽作品に触れ

無調音楽への目覚めは

Schoenberg ではなく Miles Davis と Public Enemy 。

文学的には Richard Wright に始まり

Ralph Ellison、James Baldwin

そしてノーベル文学賞を受賞した Toni Morrison。

「青い眼が欲しい」は映画化されて感慨深いものがありました。

Miles は自伝の中で

フェラーリに乗っていたときの執拗な職質体験を語り

「奴らは黒人の俺がフェラーリに乗ってる事が気に入らないんだ、クソッ!」

確かこんな感じのコメントともに

有名人になろうとも、今も昔も

社会は何ら変わらないと主張しています。

Malcolm Xもそうですが

彼らは5歳前後で自分が「黒人」であることへ目覚め

社会的立場を認識するという共通の体験を持っています。

現代においても

白人警官によるアフリカ系アメリカ人の殺傷が繰り返され

そのたびに沸き立つ「ブラック・ライブズ・マター」を見ると

Martin Luther King や Malcolm X らの活動によって

法律を変えることは出来ましたが

人の意識を変えるにはまだまだ難しいようです。

日本人の僕には往古来今の変化が肌感覚でわかりません。

先日書いたサルトルやミルトンフリードマンが唱えた自由も

主体性を要するという意味では

アフリカ系アメリカ人の自由の戦いと重なります。

ちなみに今まで読んだ本の中で

かなり読むのが苦痛だった「マルコムX自伝」。

正直、面白くなかった…。

引っ越しのたびに大量の本とマンガを処分したけど

何故か今も目の前の本棚にあります。

改めて理由を考えてみたら

マルコムが「自由」をどのように考えていたのか

そこを読み返してみたいのだと思いました。