アキレス腱炎・周囲炎
今日はアキレス腱炎・周囲炎のお話です。
基本的にはランニングなどのスポーツをする方に起こる
慢性スポーツ障害(要は使いすぎですね)です。
しかし、年に数名コンスタントにご高齢の方がアキレス腱炎で来院されます。
もちろんランニングなどのスポーツをする訳でもないし
合わないシューズや摩耗したシューズを履き続けている訳でもありません。
これらの患者さんの共通点は「扁平足で比較的活動的な方」です。
これに骨盤が前に移動しているなどの他の要因も加わり発生します。
活動的と言っても登山やハイキングに出かける訳ではなく
食事やコンサートなど少し長めの歩行を伴う外出をよくされる方です。
みなさんの歩き方を観察して感じるのは
後ろから見ると体重がかかった時に
足首の関節が内側に「く」の字に曲がっています
(距骨下関節過回内→足のアーチが崩れた結果です)。
また床を蹴り出す時に
つま先ではなく足底全体で蹴り出している印象です。
結果、踵が床から離れるタイミングが遅くなり
アキレス腱が引き伸ばされた状態で
フクラハギの筋肉に力が入ります。
この足のアーチが崩れた状態と歩き方が原因で
アキレス腱に負担がかかると考えられます。
ではどうすれば良いでしょうか?
一番大切なことは自然な歩きを取り戻すことです。
この場合インソール(靴の中敷)を使い
アーチを整え、踵からつま先への体重移動がスムーズに行えるように調整します。
そうすることで蹴り出しの際
地面から踵が離れるタイミングが早くなり
アキレス腱に繰り返しかかっていた負担を少なくする事ができます。
想像してみてください。
変な歩きで5000歩歩くということは
片足のアキレス腱に2500回余分にストレスがかかるということです。
何かの筋トレやストレッチを2500回出来るでしょうか?
下肢スポーツ障害の代表格の一つであるアキレス腱炎は
冷やす・筋トレ・マッサージ・ストレッチ・超音波
などの対症療法が定番治療ですが
これだけではなかなか改善しません。
痛みが発生する体の動きをコントロールすることが肝心です!
インソールでサクッと楽に治療しましょう!