「JOKER」の話のつもりが…JOJO~Gatsby~JOJO

最近「JOKER」見ようと思って

まずは「バットマン」を復習。

見たのはクリストファー・ノーランが監督を務めた

「ダークナイトシリーズ」3本。

以前見たはずですが

超クールなバイク「バットポッド」以外はあんまり記憶なし。

ブルース・ウェインがバットマンになるまでが

けっこう時間をかけて描かれてました。

そして見終わって思ったのは

バットマンってWWEのプロレスラーぐらいの

「ちょっと強い人間」レベル。

それでスーパーマンとどう戦うのだろう?

という疑問です。

あまり興味がなかった「バットマン vs スーパーマン」が急に見たくなりました。

地球の自転を逆回転させられるほどのパワーを持つスーパーマンと

WWEのレスラーはどうやって戦うんだろう。

例えば「ドラゴンボール(マンガ)」は単純なパワー比べで

どんどん際限なく強くなっていくと

ストーリーは行き詰まり急激に失速しました。

ジョジョを考えてみると

一応、最強とされるのは承太郎のスタープラチナ。

しかしこの「最強」は時間を止める能力や

精密で超高速な動きができるからではなく

承太郎の正確な判断力に依存します。

そして第6部で承太郎はプッチ神父に敗れるわけですが

神父への攻撃と娘の救命を天秤にかけられ

娘の命を選んだことで負けました。

能力による負けではなく判断ミス(?)による負け。

しかしこの「負け」も

物語のテーマに「愛」があることを考えると

娘への愛を貫いて死んでいった承太郎は

「負け」ではなくなります。

そしてジョジョの性質上その精神は

子孫に遺伝するかのように受け継がれていくので

愛に終わりがないという事になります。

助けた娘は

自らの能力で「メビウスの輪」を創り出すことができ

これは「永遠」を象徴したとも考えられます。

ということで「バットマン vs スーパーマン」には

ジョジョ的な展開しか考えられません。

この承太郎と神父が戦う第6部は

物理学の要素が盛り込まれていて

少年の読み物としてはちょっと難しいです。

現に第7部からは青年誌で連載となりました。

ジョジョには

ジャンプ連載のテーマと言われる「友情・努力・勝利」が

当然織り込まれているわけですが

メインテーマは「人間賛歌」

そしてこれは「人間愛」へと繫がります。

承太郎の死を考える時

いつも頭をよぎるのが

Fitzgeraldの「The Great Gatsby」。

この作品には様々な視点での論考がありますが

ここで考えるのは

「愛」の象徴としての主人公 Gatsby の死です。

この作品を初めて読んだ当時

Gatsby の死の一つの側面として

永遠や無垢の「愛」などないことを示唆している

と考えました。

ここが承太郎の死と結びついて興味深いのですが

相反する結論を表現しているはずなのに

この2つの作品は魂を揺さぶる力にあふれています。

そして「The Great Gatsby」は複雑な構成ゆえ

その感動の源泉を絞り切れません。

例えば同じアメリカ文学で

スタインベックの「怒りの葡萄」は

サーフィンのギネス級ビッグウェーブのようなラストで

これは人間の「生」に対する執着というか本能というか

そこまでして生き抜いていくのか!的な

力強さに魂が揺さぶられました。

しかし「The Great Gatsby」には直線的なわかりやすさはなく

夢の挫折、アメリカンドリームの終焉、愛、ギャング…、

複数の要素で攻められて頭グラグラです。

何に心が揺れるのかフォーカスできない事も

この物語の尽きない魅力なのかもしれません。

もう一度読み返して熟考してみます。

そして最後の一文は鳥肌が立つほどに美しく

今も頭の中に刻まれたままです。

余談ですが

日本語訳のネーミングが

僕が読んだ当時「華麗なるギャツビー」となっていて

どうもしっくりきませんでした。

「華麗」かな?って感じで。

その後発売された村上春樹訳では

「グレート・ギャツビー」に改められていて

こっちが断然いいと思いました。

村上春樹は2冊しか読んだことありませんが

レイモンド・カーヴァーを日本に紹介してくれたことと

野崎孝 訳の「ライ麦畑でつかまえて」 を

原題の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」と

改めてくれたことは特にうれしく思いました…。

そういえば、今日の出だしは「JOKER」の話でしたね!

すっかり違う話になってしまいました。

「JOKER」はまた別の機会に…。

なんだかまとまらない話の最後に

またジョジョの話になってしまいますが

承太郎がポーカーでダービー兄に勝ったあの名勝負。

自分のカードを見ることもなく

巧みな心理戦で相手を追い込んでいき

最後のハッタリシーンでは

吸いかけのタバコを口からプッと吐き捨て

凄みを効かせたたみかける承太郎!

スタンド勝負ではなく

ハッタリ勝負!

ビビらなかったほうが勝ち。

「精神力」=「スタンド力」というジョジョの定義を考えると

飛呂彦天才!

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