柔整の学生のみなさんへ

医療系の学校に通われている方から

勉強のコツなどの質問を受けることがありますので

少し書いておきます。

結論は簡単でコツなど特に無く

必ずプロメテウスなどの解剖書を参照しながら

教科書をひたすら読むだけです。

国家試験の前提は教科書からの出題なので

確か僕の頃は11冊だったと思いますが

これを丸暗記の勢いで読んでいれば間違いなく受かります。

難関大学の2次試験の数学の問題みたいに

チョー難しいものは一つもありません。

3年生の6月くらいまではあんまし教科書読まなくとも

授業とGoogleで十分です。

ネットでは大学の解剖学教室や生理学教室を軸に

例えば電子伝達系や鉄・銅の代謝など

教科書に記述が少ないところは

少し難しいですが論文などを参照すると理解が深まります。

ネットで調べるときは必ず複数の信頼性の高いページを見てください。

僕の時代と違ってネットで情報とり放題なので

ここはフル活用です。

また僕はノートや解剖書をすべて縮小コピーして持ち歩いてましたが

現代はiPad(画面がデカいほう)を用意し

そこに全部入れておけば非常に重宝します。

3年生の7月以降は国試の準備に入りますので

ネット検索はあえて控えて

教科書をひたすら読みます。

図や表は特に重要なので

自分で作れるくらいになって下さい。

次に最低限の用語を覚えて理屈を理解していればいいものと

覚えるしか方法がないものがあります。

前者は「骨吸収」を例にすると

覚えなければいけないことは

副甲状腺ホルモン・カルシトニン・ビタミンDの作用だけ。

そして重要なことはカルシウム(Ca)が血管に対してどのように移動するかです。

「骨吸収」とは血管が骨(Ca)を吸収することです。

Caが血管に入っていくのか出ていくのか

これだけ理解していればこの分野の問題は100%回答できます。

Caの血中濃度や尿のCa濃度などがいろんな事象で問われますが

どれも理屈はシンプルなので迷いようがありません。

また後者の覚えるしか方法がない分野は

例えば骨折の固定肢位。

骨折線の入り方はそれぞれの骨折に対応したベクトルを考えると

覚えてなくともだいたい正解できます。

しかし、この固定肢位を論理的に導き出すのは難しい。

僕は固定肢位を考えるとき

関節を特定の方向に屈曲したり回旋したりすることから

筋肉の緊張を利用して

骨折部分が癒合するような力を加えると理解していました。

あんまし覚えずに試験に臨んでましたがイマイチ正解率が低かったです。

ある時、実技の先生に上腕骨顆上骨折の固定肢位について質問したところ

説明するより実際に経験した方が理解が速いと

僕の腕で実演してくれて、すぐに理解できました。

答えは簡単で骨を利用したテコの原理です。

固定力を生み出す源は骨にあって筋肉ではありません。

僕は前提条件の段階で間違ってました。

教科書以外を勉強すると固定肢位については諸説ある場合があります。

しかし国家試験では一つの答えしかないので

教科書を覚えるしかありません。

理不尽なこともたくさんありますが

時限的に覚えればいいと思います。

教科書を読むことは卒業後おそらくありません。

臨床に出ればもっと興味深い体験がたくさんありますし

有益な書籍も山盛りです。

ここまでをまとめると

3年生の6月までは授業を理解し

Googleで有益な情報をひたすら閲覧し知識の幅と理解を深める。

7月以降はあえてGoogle使わずに教科書を繰り返し読む

です。

また、受験には過去問が必修ですが

過去問のやり方は2通りあって

受験に特化するならひたすら繰り返し学習。

臨床を見据えるなら11冊の教科書を俯瞰的に理解する必要があるので

問題1問ごとに11冊の教科書の関連事項をすべて参照する、です。

後者はめんどくさいし時間がかかりますが有益です。

国試の点数だけを上げるには前者のほうが有利です。

わからない用語はすべて、あえて教科書で調べてください。

また臨床に出てからは解剖知識が非常に重要ですので

解剖学はスケッチの練習をしましょう!

教科書を読むのはその位置関係を正確に理解するために必要ですが

あれを言葉で覚えようとするとコスパ悪すぎて無駄です。

正確な絵が描ければ臨床に対応できます。

解剖学者のベザリウスについて学ぶと思いますが

彼は画家を雇って詳細な解剖図を作成しました。

僕が思うにこの雇われ画家もベザリウスと同じくらい

人体の構造に精通してたと思います。

解剖実習でもそうですが

解剖図がいかに正確に記されているかを思い知ることになります。

なので解剖書はちょっとお高いですが必ず用意し

とにかくお絵描き!

最後に

お坊さんが分厚い経典を苦も無く読み上げているのって

スゲー!と思ったことありませんか?

あれってほとんど暗記しているからできる技です。

そして用語をよく勉強し人に説明できるようにしています。

毎日繰り返し教科書読むとお坊さんレベルになれると思います。

ということで目標はお坊さんを目指しましょう!

ゆる~い結論でごめんなさい。

細かい質問があれば何でもお答えしますので今日のところは….。