お酒と骨粗しょう症

ピーターフォークの刑事コロンボ。

子供のころから大好きです。

刑事コロンボでは火サスと違って

最初に犯人がわかります。

ということで

刑事コロンボ方式でまずは結論。

「お酒を飲んで顔が赤くなる人は

骨粗しょう症による骨折リスクが高い」ということです。

赤くならない人に比べると約2.5倍の骨折リスク。

よって

酒は適量を心がけ

バランスの良い食生活と適度な運動をし

定期的に病院で骨粗しょう症の検査をしましょう!

「骨粗しょう症」は病気です。

以上で本日のお話は終わりです。

ですがもう少し書きます。

ここからは火サス終盤の犯人告白シーンです。

このお話は2017年に慶応義塾大学医学部の

宮本健史先生が発表された論文です。

2014年のデータで大腿骨近位部骨折は年間19万件、

1日平均で約500人になるそうです。

この骨折した人とアセトアルデヒド脱水素酵素の活性を調べた結果

「お酒を飲んで顔が赤くなる人は

骨粗しょう症による骨折リスクが高い」

という結論が得られたそうです。

飲酒による骨折リスクの詳しいメカニズムはまだ不明とのことですが

明確な統計はそれなりの説得力があると思います。

「アセトアルデヒド」って

TVなどでちらほら耳にするワードですが

これって毒性があって体にイロイロと悪さします。

アセトアルデヒドはアルコール代謝の過程で発生し

これを分解し無害にしてくれるのが

「アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)」

このALDH2の活性が高いと

ビシビシアセトアルデヒドを分解できるので

お酒で顔が赤くなりません。

逆にALDH2の活性が低い人 → 赤ら顔 → 骨折した人に多かった

ということです。

そしてこの活性は遺伝です。

国税庁のHPに

日本人の44%がALDH2不活性

ヨーロッパ系白人・アフリカ系黒人は不活性0%

とありました。

学生のころコンビニのアルバイトをしていたことがあります。

バイトの終わり際にスイス人の旅行者が来店し

1Lの一番搾りとピーナッツを買って

話しかけてきました。

英語苦手ですが

「一緒に飲まないか?」って言われたので

酒好きな僕は断るわけにもいきません。

仕事を終へそのまま外のベンチで飲みました。

季節は夏、風が気持ちよく

当時の夜はまだ涼しかった。

彼は一番搾り1L缶

僕は一番搾り350ml缶

「そんな小さいのでいいのか?」って聞かれましたが

「徐々に君に追いつくから大丈夫だ」と答えて飲み会開始。

彼は1L缶を4本空けたあたりから

やっと酔ってきました。

その時は外国人は体が大きいから

酒強いなぁーと感心してましたが

それだけではなく遺伝も関係してたとは…。

そんな彼に付き合って始発まで飲んで

フラフラで家路についたのを覚えています。

また、頑張ってお酒を鍛えていると

はじめは赤くなってたけどそのうち平気になった

という方がいらっしゃいますが

ALDH2の活性に変化が生じたわけではありません。

アルコールを分解する酵素

「ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)」が鍛えられただけです。

このMEOSは使いすぎると肝障害を起こしやすくなるのでご注意を!

ダメ押しですがお酒で顔が赤くなる人は

お酒を飲んでも飲まなくても骨折リスクは高くなります。

微量ですが野菜や果物にもアセトアルデヒドが含まれています。

アセトアルデヒド蓄積 →

活性酸素発生で酸化ストレス上昇 →

骨芽細胞の機能不全→

骨の新陳代謝の乱れ →

骨密度低下

という流れで骨折リスクは上昇。

じゃあどうすれば!って感じですが

まずは適量飲酒を心がけましょう!

厚労省のガイドラインでは

適量飲酒(純アルコール換算で1日20g)

これは日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本、ワインならグラス2杯程度です。

チャンポンがいけないのは

自分が飲んだアルコール量がわからなくなるからです。

1時間に分解できるアルコール量(g) = 体重(kg)× 0.1

適量の計算に便利なサイトです ↓

アルコール計算機~分解時間と血中濃度

お酒を飲んで顔が赤くならない人でも

大量飲酒の習慣がある人は

骨折リスクが高まります。

そこで上手にお酒を飲むコツを付け加えると

飲酒時は水を飲みましょう!

日本酒造組合中央会は、

日本酒を飲む際に水を飲むことを推奨しています。

胃腸内のアルコール濃度を薄める効果と

お酒の利尿作用による脱水を防げます。

お酒の量に対してどれくらい水分をとればいいかは

先ほどのサイト(アルコール計算機~分解時間と血中濃度)で計算できます。

また利尿作用は尿と一緒にカルシウムを

体外へ排出するので注意が必要です。

そしてお酒を飲むときは油ものを食べましょう!

二日酔いや悪酔いの原因の一つに

血中アルコール濃度の急激な上昇が挙げられます。

飲むペース配分も大切ですが

アルコールの約80%を吸収するのは小腸です。

その前の胃で滞留時間を長くすれば

アルコールの緩やかな吸収に有利です。

胃での滞留時間は油が最も長いとされていますので

おつまみにカルパッチョ・ポテサラなどを加えて

ゆっくり飲めば悪酔いしません。

唐揚げなどは別な健康問題を引き起こしますので

食べすぎに注意です。

余談ですが酒造メーカーHPの中には

適量飲酒量を少し緩めに記載していたり

国税庁はお酒の効能をうたっていたり

それぞれの思惑がうかがえて面白いです。

そして骨折予防の次の手は

日常の食事です。

まずは、ビタミンEをとりましょう!

ビタミンEの抗酸化作用は

機能不全を起こした骨芽細胞を救います。

ビタミンEを多く含む食品はアーモンドなどのナッツ類、

ツナ・うなぎなどの魚です。

シーチキン食堂で

人参しりしりシーチキンを注文して飲めばOKです。

遺伝は変えることができませんが

ビタミンEで骨折リスクを下げることはできます。

サプリに頼らず食事からとるように心がけましょう。

次にカルシウムをとりましょう!

骨の材料であるカルシウム

牛乳やチーズなどの乳製品、

干しエビや小魚、

納豆や豆腐などの大豆製品に多く含まれます。

そして合わせてビタミンDをとりましょう!

骨を作るのを助けます。

基本は日光にあたれば体内で合成されますが

サンマ、イサキなどの魚、

干しシイタケなどに多く含まれます。

魚とキノコをパクパク食べるとOKです。

これら自然にとれるビタミンDが

肝臓・腎臓で代謝され活性型ビタミンDとなります。

骨の役に立つのはこの「活性型」のビタミンDです。

病院で処方されるのは活性型ビタミンDです。

次にビタミンKをとりましょう!

骨を丈夫にしてくれます。

納豆・ほうれん草・小松菜がいいです。

そして

たんぱく質をしっかりとる事と

糖質のとりすぎに気を付けましょう!

糖化は骨をもろくします。

そして適度な運動と休肝日も忘れずに!

骨粗しょう症のリスクが高い方は

閉経後の女性、前立腺がん治療中の方、高齢の男性などですが

家族で大腿骨近位部骨折を起こした方がいる場合は特に注意しましょう。

最後に朗報!!!

お酒をやめると痩せます。

僕は以前AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPがすべて上昇したので

やむなく4か月ほど禁酒しました。

食事や運動量は変わらなくても

5㎏体重が減り数値も正常に。

ダイエット・健康・ふところに優しい~!

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