抗生物質汚染
「ジョジョの奇妙な冒険 第5部」イタリア編で
パープルヘイズの殺人ウィルスの中で生まれた
ゴールドエクスペリエンスの蛇は
殺人ウィルスに対する耐性がありました….。
今日は薬剤に対する耐性を持った細菌のお話です。
世界の汚染事情は忙しく
話題に事欠きません。
抗生物質による自然環境汚染もその一つで
深刻になりつつあります。
世界規模で行われた河川の調査結果をみると
南極を除く全大陸で抗生物質が検出されています。
僕たちが飲んだ抗生物質は体内で分解されず
余剰分は尿や便で排泄されます。
下水処理場で処理が行われますが
最先端の設備でも処理しきれません。
自然界に出た抗生物質はそのまま残り続け
薬が効かない「薬剤耐性菌」の進化を促すことになります。
細菌は進化のスピードが速いため
「薬剤耐性菌」の出現が跳ね上がる可能性があるとのことです。
最近ナショジオ読むと暗くなります…。
厚労省も「抗生物質適正使用の手引」を作ったり
昨年の診療報酬改定で
医師が乳幼児の風邪や下痢に
抗生物質を使わずに適切な説明をすれば、
医療機関に報酬を支払う仕組みを作ったり
努力が見られます。
そして地域の病院でも
連携強化で情報を共有し
適切な薬剤使用で
耐性菌を抑制しようとする動きが
出てきています。
が、しかし足りない。
国や医療機関のさらなる取り組みは必修ですが
僕たちも抗生物質に対する正しい知識を
身に着けておきたいものです。
僕たちが抗生物質を処方される
身近な例は「風邪」です。
「風邪」は鼻や喉の急性炎症で起こる
鼻水、喉の痛み、せき、発熱
などの諸症状の総称で
「風邪症候群」というのが正確な名前です。
この病気の原因は細菌かウィルスですが
日本呼吸器学会によると
ウィルス性の風邪が80~90%です。
そして抗生物質は細菌を殺す薬で
ウィルスには全く効果がありません。
厚労省の「抗生物質適正使用の手引」では
せき、鼻水や鼻づまり、喉の痛み
という症状がほぼ同時に出て、
どれかの症状が突出して強くない場合は、
発熱の有無にかかわらず
基本的にウィルス性の風邪と考えられ、
抗生物質は不要としています。
ウィルス性の風邪には治療薬はありませんので
栄養・水分・寝る!ということが基本。
病院で処方される
咳止めや喉の痛み止めなどは
症状を抑えるお薬ですので
不快感を和らげるのに
何かと役に立ちますが
治癒期間を短くすることはできません。
対症療法です。
医療機関によっては
5分ほどで終わる検査で
細菌の有無を調べ
正確な薬の処方をしているところも
出てきています。
正確な診断による医療の浸透
そして僕たちの知識と意識で
抗生物質のバラマキを減らしたいものです。
また対策の一つとして
上下水処理施設の能力強化は
効果的だと思います。
上下水処理の過程に
抗生物質やマイクロプラスチック除去の
機能を強化するわけです。
お金かかりそうですが
未来への投資として大切に思います。
薬が効かない「薬剤耐性菌」の増加で
命を落とすことが日常になる未来
そんな日は来てほしくないですね。